在庫5個
花崗岩土壌で育つシャルドネとミュスカを9月上旬に収穫し全房で2 ヶ月醸しプレス、アンフォラで発酵・熟成し瓶詰めしました。クリアなグリーンイエロー色、すりおろしリンゴや梨、完熟みかんの香りを感じます。じわっと拡がる旨味にほのかな酸味、シャープな果実味でドライな中にエキス感が心地よく、温度の上昇と共にジューシーさも感じられます。
リヨンで生まれたシリル・アロンソは、まずモンペリエの大学でワイン醸造を学び、ボーヌでエノローグの資格を取得、その後ソムリエとしてワイン販売の経験を積みました。醸造家としての始まりは、スイス、ジュネーヴ近郊のドメーヌ・ヴィーニュ・ブランシュ。そこで数多くのブドウ品種の醸造を経験しました。次いでサヴォア地方ビュジェのドメーヌ・デ・ヴィーニュ・ウーヴリエに移ります。寒冷地でブドウ栽培はとても厳しい場所でしたが、ここで多くの自然派生産者と親交を結びワイン造りに対する考え方を確立しました。その後、現在の本拠地ボージョレに戻り、ラピエールに独立を勧められ会社設立まで絶大な支援を得ました。この地でラピエールとのコラボで造り上げた、サヴォアで人気の「ビュジェセルドン」と同タイプのやや甘口のロゼペティアン「?」マークの「ポワン・アンテロガシオン」によりナチュラル・ワイン界で大きく知られる存在となりました。 醸造の哲学は、自然派ワインの生みの親「ジュール・ショーヴェ」から受け継いだ昔ながらの自然な醸造そのものです。その土地のテロワールを最大限表現するため、自然農法で育てられた健全なブドウのみを収穫し、除梗せずに発酵槽に入れます。その時も不要な圧力がブドウにかかるのを避けるためベルトコンベアを使い重力だけで落とすというやりかた。そして天然酵母だけの力でSO2(酸化防止剤)等の添加物を一切使用せずにゆっくり時間をかけて醸造します。そしてブドウ本来のエキスを残すためノンフィルター(無濾過)ノンコラージュ(無清澄)で瓶詰めします。出来上がったワインの状況を見定め、必要があれば最小限・極微量のSO2を瓶詰め時に加える場合もあります。『環境や条件によって柔軟に仕事の進め方を変えつつ、より良いものを…』長年の経験と多くの優れた栽培家との深い信頼関係に培われたアロンソが生み出す「とっておきのナチュラル・ワイン」なのです。とここまでは、かつての彼のスタイルですが、再出発後はこのスタイルをベースに農業において『Permaculture and Agroforestry』という方法論も取り入れています。Permaculture(パーマカルチャー)とは、パーマネント(永続性)とアグリカルチャー(農業)、そしてカルチャー(文化)を組み合わせた言葉で、永続可能な農業をもとに永続可能な文化、即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくための農業手法です。Agroforestry(アグロフォレストリー)は、アグリカルチャー(農業)とフォレストリー(林業)を組み合わせた言葉で、1970年代から使用されるようになった言葉です。農業・林業を同じ場所で行い、お互いの恩恵を最大限に利用しながら豊かな森を育む、包括的でサステナブルな農業という意味の言葉で、この方法の大きな特徴は、従来のように森を切り開いて畑をつくるのではなく、さまざまな植物や木々を一緒に植えて、森を再生しながら収穫ができるという点にあります。